サクラ出会い系詐欺とは
サクラ出会い系詐欺とは、運営者が用意した「サクラ(架空の異性や人物)」とメッセージのやり取りを続けさせることで、多額のポイント代や利用料金を騙し取る詐欺行為をいいます。
悪質な業者は、出会いを求める人の心理や性欲、同情心、金銭欲などを巧みに利用し、利用者に「もっと話したい」「助けてあげたい」「会ってみたい」と思わせる文面を送信されてきます。メッセージ送信のたびにポイントと称する高額な料金がかかる仕組みを作り、被害者から継続的にお金を巻き上げます。
具体的な手口
- 知らないい人から突然のメッセージ
メールアドレスに宛に知らない人からメッセージが届く、X(旧twitter)、Instagram、Facebook、Threads)などのソーシャルメディアにDM(ダイレクトメッセージ)で知らない相手からメッセージが届くなどの方法で、悪質なサクラサイトへ誘導されるケースが多数報告されています。メッセージの内容はさまざまで、間違いメールやメッセージを装い、丁寧に謝罪したのちに「これも何かのご縁」とメッセージのやり取りを続けたり、より直接的に「良かったらお話しませんか」とLINEに誘い、頃合いを見計らって有料の悪質なサクラサイトへと誘導されます。
- 感情に訴えるメッセージ
サクラたちは「寂しいから話を聞いてほしい」「旦那との関係が冷え込んでいる。会って慰めて欲しい」など、同情や欲情を誘うストーリーで誘ってきます。 - 金銭的魅力を強調
「莫大な遺産を分けたい」「宝くじが当たったからあげたい」など、被害者に利益があるように見せかけ、鉄続き代と称して高額なポイントを消費させようとしてきます。この手口は支援金詐欺とも呼ばれます。 - ポイントが無くなるタイミングを見計らう
残りのポイントが少なくなった頃合いを見計らったかのように、「会いたい」「いつ、どこで会いますか」「すぐにでも会いたい」などと具体的な話をし始め、ポイント購入をせざるを得ない状況になります。ポイントを購入すると、「急用が入った」「待ち合わせ場所に来たのにいなかった」などと急にはぐらかされ、いつまで経っても実際に会うことはできず、この流れを延々と繰り返します。こちらから連絡をしなくなると、別の多数の女性からアプローチをかけられますが、結局のところ同じ結末が待ち構えています。 - システム手数料や解除料を請求
「通常はできない連絡先交換をできるようにするため、システムの改修費用がかかる」「特別に連絡先交換ができるオプションを付与する」「特別会員になれば全てのサービスが無料で使える」など、次々に高額なポイント購入を促してきます。 - 「合言葉」「機能解除コード」
上記のシステム手数料や解除料を支払っても、「合言葉」や「機能解除コード」が正しく送信されなかったという理由で、高額のポイントを消費させられ、さらに高額なポイントを購入させられます。
被害事例
- 相手からのメッセージを1通読むだけで100円、こちらからメッセージを1通送るだけで200円など高額に設定されており、上記「具体的な手口」にある手法を積み重ねられた結果、数百万円以上を騙し取られたケースは珍しくありません。
- 「芸能人の悩みを聞いてくれる人を探している。。信頼のできる人にしか頼めないので、高額な報酬を用意させていただきます」「私は経営者で心労が絶えない。癒してくれる、安心して話せる人を探していたらあなたを見つけた。話を聞いてもらえれば百万円をお振込みします」という名目でサイトに誘導され、やり取りを続けるうちに何十万円も費やしてしまったというケースも多く、この手口は副業詐欺とも呼ばれます。
よくある質問・対策
- Q:サクラかどうかを見分けるポイントは?
A:やたらと長文を送ってきたり、すぐに「会いたい」や「お金を渡したい」と言ってきたりする場合は要注意。また、一向に出会いの約束が進まない場合はサクラの可能性が高いです。 - Q:ポイントを買いすぎてしまったら、返金してもらえますか?
A:業者によっては返金に応じるケースがありますが、多くの場合は応じませんし、二束三文の返金で和解契約書を結ばされて、泣き寝入りさせられることになります。法的に返金を求めるためには詐欺サイトの被害回復(返金)を専門にしている弁護士へ相談するのが効果的です。
もし被害に遭ってしまったら
- 詐欺被害に気付いた時にやってはいけないことがあります。それはサイト運営に「インターネットで調べたら詐欺と書いてあった。お金を返せ」などとメッセージを送ることです。そうするとすぐにアカウントを削除されてしまい、大事な証拠ととなるメッセージのやり取りを残す(保全)ことができ無くなり、被害回復が難しくなります。
- 被害に気付いた時、一番最初にすることは証拠を残すことです。相手(サクラ)とやりとりしたメッセージ、運営会社からのメッセージのスクリーンショットをできる限り多く残しましょう。
- 被害に気付いたらすぐに消費者生活センターや弁護士事務所に相談しましょう。詐欺被害において返金されるかどうかは、時間との勝負と言って過言ではないでしょう。